10日、米ワシントンのホワイトハウスで会談したトランプ大統領(左)とロシアのラブロフ外相。ロシア外務省提供=AP
トランプ米大統領は10日、ホワイトハウスでロシアのラブロフ外相と会談した。両者は、内戦が続くシリア問題の解決に向け連携を図り、悪化した米ロ関係を改善していくことで一致した。
トランプ氏は会談後、記者団に対し「非常によい会談だった」とし、「我々はシリアで起きている殺害をできるだけ早く止めたい。皆がこの目標に向かっている」と述べた。ホワイトハウスによると、トランプ氏はシリア内戦の終結に向け、アサド政権やイランの行動を抑制するようロシア側に求めたという。
トランプ氏はさらに、中東や他の地域での問題を解決するため、広範囲なロシアとの協力の可能性を提起し、より良い米ロ関係を構築したい考えを強調したという。ラブロフ外相も会談後記者会見し、「米ロ間にある障害を取り除いていく」と関係改善に意欲を見せた。
シリアを巡っては今年4月、アサド政権が化学兵器を使ったとして、トランプ政権はシリア空軍基地をミサイル攻撃した。アサド政権は化学兵器の使用を真っ向から否定、政権の後ろ盾であるロシアが強く反発し、関係が悪化した。
一方、ウクライナ情勢を巡っては、トランプ氏は東部での停戦を定めたミンスク合意の完全履行をロシアに求めた。(ワシントン=杉山正)