旧門脇小学校の校舎
東日本大震災で津波に襲われ、火災で延焼した宮城県石巻市の旧門脇小学校が震災遺構として保存されることになった。「見るのがつらい」と解体を望む地元住民も少なくなかったが、市が13日に説明会を開き、半分ほどを解体、残りを保存するとの計画を示し、住民側が受け入れた。
特集:3.11 震災・復興
海から約1キロにある旧門脇小は、3階建て校舎の1階は津波で被災し、2、3階は火災で延焼した。車やプロパンガスのボンベが津波で流され、がれきに引火したとみられる。「津波火災」の痕跡がそのまま残っているのは珍しいという。
震災時、学校にいた224人の児童は裏山に逃げて助かったが、周辺では400人を超す住民が犠牲になった。このため市は地元住民に配慮し、長さ107メートルの校舎のうち、両端を解体し、中央部分の54メートルを残す折衷案を示した。校舎内への立ち入りは禁じ、内部の様子の映像を、近くに設置する防災・交流施設で見ることができるようにする。現在、校舎はシートで覆われているが、2019年度末までの整備を目指す。
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