保育施設で亡くなった子どもの人数
2016年中に報告があった保育施設での事故で、13人の子どもが亡くなっていたと内閣府が12日に発表した。前年より1人減ったが、小さな命が失われる事態は後を絶たない。重大なけがを含めた保育事故は587件で、前年から1・5倍に増えた。
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睡眠中の死亡がもっとも多く、13人のうち10人を占めた。うち4人がうつぶせ寝の状態だった。年齢別では半数以上の7人が0歳児で、4人が1歳児、2人が6歳児だった。死因は4人が病死で、残る9人は不明という。
施設別では認可外施設が7人で最多だった。認可施設では定員20人以上の認可保育所が5人、定員5人以下の家庭的保育事業が1人。認定こども園と定員19人以下の小規模保育所での死亡事故はなかった。
事故数は、前年より188件多い587件。内閣府は15年度から全治30日以上のけがをした事故も、報告を義務付けた影響とみている。15年も前年から倍増していた。内閣府の調査では15年に6県、16年も1県で報告漏れがあった。
15年度から報告が義務化された小学生が利用する学童保育で死亡事故はなかったが、288件の事故(前年比60件増)があった。
一方、認可外施設からの事故報告は義務ではなく任意だ。厚生労働省は省令改正などで義務化する方針を決めているが、まだ実施されていない。内閣府の担当者は「すべての事故を把握できていない可能性がある」としている。(西村圭史)