トランプ米大統領は12日に放送された米NBCテレビのインタビューで、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が北朝鮮との直接対話に前向きな姿勢を示したことについて「対話をするのは構わないが、適切な条件下でなければならない」と述べた。米側は北朝鮮が核放棄に向けた具体的な行動をとることを対話の条件としている。
トランプ氏も金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長について「私にとって適切なものであれば、当然、会談をすることを光栄に思う」と語っている。ただ、「違法活動と挑発行動をしない」(国務省当局者)ことを前提条件としている。トランプ氏は、北朝鮮との融和路線を掲げる文氏を牽制(けんせい)する意図があったとみられる。
トランプ氏は、対話のタイミングについて「1カ月か2カ月すれば、きちんとした答えを言うことができるだろう」と述べ、明言は避けた。その上で、北朝鮮の核・ミサイル開発は「韓国や日本、中国にとっても非常に危険だ」と指摘。「オバマ前大統領ら過去の大統領が対処すべきだったのに、私はとてもしっかり対処してきた」と実績を強調した。
トランプ氏は、文氏が就任した10日に電話会談し、北朝鮮の核問題の解決に向けた協力強化のほか、文氏の早期訪米と首脳会談の開催を求めている。(ワシントン=峯村健司)