イタリア南部のバーリで12日開幕した主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席している麻生太郎財務相は同日夕(日本時間13日未明)、ムニューシン米財務長官と会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への制裁強化に向けて日米で引き続き連携していくことで一致した。
麻生氏は会談後、記者団に北朝鮮について、「常識的でない人が極めて危険な武器を持っている状況は変わっていない。危機は相変わらず存在している」と述べ、ムニューシン氏と懸念を共有したことを明らかにした。両財務相の会談は3回目で、今回は為替や貿易問題は話題に出なかったという。
また、麻生氏はG7の初日の討議で、中国が資本流出を防ぐために導入している、大口の海外送金を制限する資本規制について、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事に監視するよう要請したことを明らかにした。麻生氏は「日本を含めた外国資本が(中国から)本国に送金する際に支障が出ている。国際社会としても注視する必要がある」と指摘した。日本政府関係者によると、中国に進出する外国企業の輸出入の代金の支払いなども規制対象になっている可能性があるといい、IMFのルールに違反している疑いがあるとみている。
G7の初日の討議では、格差を防ぐ経済成長のあり方について、自由貿易に逆行するべきではないという意見が相次いだ。麻生氏も会議で「自由貿易は多くの国々の経済の繁栄に寄与してきた」とし、自由貿易の重要性を訴えたという。G7は13日にこうした協議の結果を声明や付属文書にまとめ、閉幕する。(バーリ=長崎潤一郎、寺西和男)