米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の解任を巡り、トランプ大統領が会話の録音の存在を示唆してコミー氏を威嚇した問題で、トランプ氏は12日、「コミーに正直でいてもらいたいだけだ」と弁明した。米FOXニュースのインタビューで話した。
トランプ大統領、FBI長官を解任 理由明らかにされず
前FBI長官を威嚇ツイート 情報流出恐れ?トランプ氏
トランプ氏は12日朝、ツイッターに「コミーは報道機関に情報を漏らすのを始める前に、我々の会話の録音テープがないと願えばいいさ!」とつづった。前長官が内幕を暴露することを警戒したとみられている。
FBIは昨年の大統領選でのロシアの介入とトランプ氏陣営との関係を捜査。コミー氏の解任は捜査妨害との疑惑も出ている。
トランプ氏はFOXニュースに、録音について「言えない。それについて言うつもりはない」と明言を避け、「コミーに正直でいてもらいたいだけで、彼が正直であることを願う」とした。
録音が実際に存在するかは不明だが、ホワイトハウスのスパイサー報道官は12日の会見で「脅しではなく、大統領は事実を述べただけだ」と釈明した。
また、米メディアはトランプ氏が就任した1週間後の1月27日にコミー氏を呼び出してホワイトハウスで夕食を共にしたと報道。その際、トランプ氏がコミー氏に自身への「忠誠」を誓うように迫ったが、コミー氏が拒否したという。
トランプ氏はFOXニュースに、コミー氏に忠誠を求めたことを否定した上で「米国への忠誠は大事だ」とした。(ワシントン=杉山正)