阪急メンズ大阪のメンズビューティーコーナー。仕事帰りにスーツ姿で立ち寄る男性も多く、夜がにぎわうという=大阪市
男性向けの化粧水の販売が伸びています。肌の手入れに関心を持つ男性が増えているうえ、一般の雑貨店が販売に力を入れ始めたことも背景にあるようです。
きりとりトレンド
大阪・梅田の阪急メンズ大阪の地下1階にある男性向けの化粧品コーナー。肌のきめ細かさや弾力を測る機器を記者(35)が試してみた。肌状態は、乾燥して脂分が多かった。
そこで、口周りやおでこに化粧水をつけてみた。化粧水は乾燥による肌荒れを防ぐといい、さっぱりして肌が引き締まる感覚だ。販売員の木村真規さんは「客層は30~40代中心。肌の曲がり角の時期で、気遣い始める男性が多い」と話す。
男性化粧品大手のマンダムによると、男性化粧品の市場規模は今年3月末時点で約1200億円と昨年比で横ばいだ。だが、洗顔料や毛穴パックなど「顔関連」商品の市場規模は約240億円で、前年より約2%増えたという。同社の栗山葉由美さんは「女性が職場に増えたことも、男性が清潔感を意識するようになった一因では」とみる。
ロート製薬が2014年に12~49歳の男性500人に化粧水の利用状況を尋ねたところ、約3割にあたる152人が使っていた。
男性用化粧品が化粧品売り場だけでなく、ドラッグストアや雑貨店などで手軽に手に入るようになったことも販売増を後押ししている。東急ハンズ梅田店では昨年の春ごろから男性化粧品の特設コーナーを設け、「売れ行きは好調」(担当者)という。
最近では、大手化粧品メーカーが3千円以上する男性向け化粧水を相次ぎ出している。植物成分を多く配合したり、肌への刺激の少なさを強調したり。「女性と比べると市場が伸びる余地がある」(化粧品メーカー広報)とみている。
自らも化粧水を愛用するというニッセイ基礎研究所の井出真吾主任研究員は「仕事前に簡単に身だしなみが整う。利用者はさらに増えるだろう」と話す。(神山純一)
■パウダーで脂っぽさ防ぐ
マンダムの「ルシード 薬用オイルコントロール化粧水」は、肌の水分バランスが崩れやすい40代以上に適した商品。脂っぽい肌を防ぐ「高吸着パウダー」を配合。肌に潤いを与えながら、過剰なべたつきやテカリを抑えるという。無香料無着色。希望小売価格120ml入り800円。
■ニキビ予防しサラサラ
ロート製薬が10~20代向けに販売する薬用化粧水「オキシー アクネケアローション」は、ニキビの元となるアクネ菌を殺菌し、ニキビによる肌荒れを予防する。余分な皮脂も吸収し、さらさらとした肌を保てるという。店頭想定価格170ml入り550円。
■様になるジェルタイプ
カネボウ化粧品の「リサージ メン スキンメインテナイザー」は、使い慣れていない男性を意識したジェルタイプ。デザインをアートディレクターの佐藤可士和氏が担当し、30~40代が使って「様になる商品」をめざした。ひげそり後の使用でもヒリヒリしにくいという。希望小売価格130ml入り3千円。
■20~30代の悩める肌に
資生堂は昨年5月、化粧水と乳液の機能を持ち合わせた保湿液「資生堂 メン ハイドロ マスター ジェル」を発売した。肌の悩みを抱える20~30代向けで、肌の水分バランスを整えることで、さわやかな感触を保つという。フローラルグリーンの香り。希望小売価格75ml入り3200円。
※価格は税別。主な男性化粧品メーカーの人気商品を選びました。(きりとりトレンド)
■阪急メンズ大阪での男性化粧水の売れ筋ベスト5
①ラボシリーズ ウォーターローションRE 200ml入り 3800円
②ラボシリーズ マックスLSチャージウォーター 200ml入り 7800円
③クラランス モイスチャートナーフレッシュ 200ml入り 4200円
④クリニーク エクスフォリエーティングトニック 200ml入り 3400円
⑤THREE ザ ディフィニティブ ローション 100ml入り 5千円
※メンズビューティーコーナーの4月の売り上げ個数