野生爆弾・くっきーさん=門間新弥撮影
白塗りの顔マネ、替え歌に絵描き歌……。多彩な持ちネタと突拍子もない発言で地上波や動画配信を問わず、数々のバラエティー番組で存在感を増している。
危険人物から許されキャラに くっきー、どん底時代語る
子どもが相手でも、大人の男性しか理解できないようなネタを披露する。「意固地なんで、好きなことをしてるだけ。相手に『寄せる』のはできない」。芸歴24年目。その姿勢は寸分もブレない。
変わったのは、周囲の視線。フジテレビのネタ披露番組「超ハマる! 爆笑キャラパレード(現・ネタパレ)」に昨年出演して以降、子どもからファンレターが届くように。若い女性にも支持が広がり、「長い芸歴で初めて。時空がねじ曲がってきたんやと思う」と戸惑いながら笑う。
吉本総合芸能学院大阪校13期生。ブラックマヨネーズ、チュートリアル徳井、次長課長ら同期が全国ネットの常連になるのを横目に、自身は売れない日々が続いた。13年ほど前に記者が大阪の酒席で会った際、「結婚はしたけど、生活が苦しくて……」とこぼしていた。そんな日々を今は「地獄でした」と振り返る。「野性爆弾」としてコンビを組む相方のロッシー(42)に引退の決意を告げたこともあったが、引き留められた。
2009年に東京に進出して、人生が少しずつ変わり始めた。下積み時代から才能を認めてくれていた多くの先輩芸人たちからのイベント出演依頼など、数々のアシストも生かし、今ではお茶の間にも浸透した。カメラが回っていない時はとても礼儀正しい常識人だ。取材後、「僕みたいな芸人を取材して下さり、本当にありがとうございます」。深々と頭を下げた。(後藤洋平)