衆院法務委に参考人として出席した(右から)成城大教授の指宿信氏、弁護士の加藤健次氏、弁護士の海渡雄一氏、中央大名誉教授で弁護士の椎橋隆幸氏、弁護士の木村圭二郎氏=16日午前9時1分、岩下毅撮影
「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案をめぐり、与党側は16日午前、衆院法務委員会理事会で17日に安倍晋三首相が一部出席する委員会審議を提案した。同日中に採決を強行、18日に衆院通過を図る構えだ。これに対し、民進党の山井和則国会対策委員長は「強行採決は絶対に許さない」として、金田勝年法相の不信任決議案を提出する方針を表明。採決をめぐる攻防が緊迫している。
特集「共謀罪」
理事会で与党側は17日の4時間の審議と最後の1時間の首相出席を提案。これにより審議時間は与党側が衆院採決の目安とする30時間に達する。野党側は提案を持ち帰り、16日午後に再協議する。自民党の竹下亘国対委員長は同日の党役員連絡会で、法案の衆院通過に向け「全力を尽くす」と述べたが、民進は17日に法相不信任決議案を出して抵抗する構えだ。
衆院法務委は16日午前、弁護士や法学者への参考人質疑を行った。海渡(かいど)雄一弁護士は「共謀罪法案は、国家が市民社会に介入する境界線を大きく引き下げる」と指摘。加藤健次弁護士も「警察の活動領域が大きく拡大していく。警察が権利侵害の高い捜査手法を求める可能性は否定できない」と反対する考えを示した。
一方、賛成の立場で意見を述べ…