受動喫煙対策、厚労省案と自民党案
受動喫煙対策を強化する法改正をめぐり、自民党は15日、厚生労働部会を開いた。焦点となっている飲食店について、厚労省案と自民党案が説明された。意見集約はできなかったが、部会終了後、塩崎恭久厚生労働相は「まったく厚労省案のままでいくことはあり得ない」と述べ、自民党案に歩み寄る考えを示した。
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受動喫煙に関する部会は3カ月ぶり。約90人が出席し、法案提出へ向けて党内の調整を進め、協議をする方針を確認した。だがいずれの案にも異論が出て、渡嘉敷奈緒美部会長は「今国会での成立は厳しい状況になってきた」と話した。
部会で、厚労省側は30平方メートル以下のバー・スナックを除いて原則禁煙とする案に理解を求めた。一方、自民党側は「望まない受動喫煙は防止する」としたものの、飲食店を喫茶店や食堂など業態に関係なく、ひとくくりにする案を主張。一定の面積以下の店は、「喫煙」「分煙」などと表示すれば、喫煙できる案を説明した。面積などの基準については今後、定めるとしている。
受動喫煙対策をめぐっては、2020年東京五輪・パラリンピックに向け、世界保健機関(WHO)などが推進する「たばこのない五輪」実現のため、周知期間を考慮して、今国会での健康増進法改正が必要とされている。WHOの4段階評価で、日本の現状は最低レベルに分類されている。