新たなミサイル発射に踏み切った北朝鮮の問題について、国連安全保障理事会は16日午後(日本時間17日午前)に米ニューヨークの国連本部で緊急会合を開く。米国は制裁項目として、燃料不足に悩む北朝鮮の「生命線」とされる石油の取引の制限もちらつかせる。ただ、実効性のある制裁措置をとれるかは、北朝鮮に影響力を持つ中国と常任理事国として拒否権を握るロシアにかかっている。
北朝鮮ミサイル、安保理が会合開催へ 非難声明など交渉
特集:緊迫、北朝鮮情勢
米国のヘイリー国連大使は14日のABCテレビに出演し、北朝鮮について「制裁や声明などで手綱をしめ続ける」と述べ、安保理で何らかの新たな対応を求めることを示唆。「石油、エネルギー、海運」と具体的な制裁領域を明示し、「手始めにやれる制裁(強化の選択肢)は多く残されている」と強調した。
米国や日本が目指すのが石油取引の制限とされる。北朝鮮制裁に詳しい国連関係者は「北朝鮮にとって最大の打撃は石油の禁輸。中国が9割ほどを供給している」と指摘する。
ヘイリー氏は同日、自身のツイッターで、カギを握る中国について「中国は(北朝鮮との)対話を期待できない」と牽制(けんせい)した。同様に常任理事国のロシアについても「今回(のミサイル落下地点)はロシアに近かった」と発信。制裁強化でロシアの協力を期待したものとみられる。(ニューヨーク=金成隆一)