中国を訪問している自民党の二階俊博幹事長は15日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について「参加をどれだけ早い段階に決断するか、ということになってくる」と語り、日本の早期参加が必要との認識を示した。「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」の国際会議出席のために訪れた北京で、記者団に語った。
AIIBは13日現在で77カ国・地域が加盟。日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の67を大きく上回っている。主要7カ国(G7)でAIIBに加盟していないのは日米のみだ。
日本政府はこれまで、AIIBに融資案件を審査する常設の理事会がないことなどから、「運営の透明性に問題がある」として参加を見送ってきた経緯がある。二階氏は「政治の側としては、あまり大きく後れを取らないうちに対応するぐらいの心構え、腹構えが必要だ」と指摘した。
政府としては当面、ADBとAIIBとの協調融資などを進める方針。安倍晋三首相は15日に放送されたBSジャパン、CNBCとの共同インタビューで「AIIBの公正なガバナンス(組織統治)が確立できるのか。疑問点が解消されれば(参加を)前向きに考えていく。いまはまだ、運用を注視している。米国とも緊密に連携していきたい」と述べた。
二階氏は16日、習近平(シーチンピン)国家主席と会談する予定だ。(栗林史子、北京=山岸一生)