九回裏西武1死、サヨナラの中越えソロ本塁打を放った栗山(左)は、ホームで迎えられる=日刊スポーツ
(21日、西武7―6ソフトバンク)
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逆転されて追いつき、勝ち越したが、また追いつかれた。二転三転の展開に、西武・栗山のバットが決着をつけた。
同点にされた直後の九回1死走者なしで打席へ。カウント1―1からの3球目。やや内よりの149キロの直球を振り切った。
「ちょっと押された感じだったので。越えてくれたらええな、と思いながら走っていた」。打球は中堅右のスタンドへ。本塁打と確認すると、何度も右手を挙げながらダイヤモンドを一周した。
プロ16年目で初めてのサヨナラ本塁打。喜びをかみしめつつ、本音がもれた。「僕としても、追い込まれたところだったので」
今季は辻・新監督の方針のもと、ベテランでも特権はなく、横一線での定位置争いを勝ち抜いた。開幕直後は打率3割5分以上と順調。だが、4月半ばに右ふくらはぎを痛めて以降、急降下した。代打に甘んじることも多い。振りが鈍り、ここ2試合は出場機会もなかった。
対照的にチームは好調。その状況下でも腐らず黙々と練習をこなしてきたが、「みんなが勝つことに集中してやってるなか、出遅れている感じがあった」。
そのモヤモヤを吹き飛ばす一打に、「ほんま、たまたま。振ったら、うぉー、って」と照れ隠しの笑み。今季は源田ら若手の台頭が目につく西武だが、勝負強い33歳の一振りで、今季最多タイの貯金5とした。(松元章)
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○辻監督(西) 栗山のサヨナラ本塁打に「みんなで行けー、行けーと叫んでたよ。助けられました」。
○浅村(西) 一回無死一、二塁、自らの判断で送りバント。「勝ちたい気持ちでやってるので。いい形で後ろにつなぐつもりだった」
●岩崎(ソ) 18試合連続無失点中だったが、九回に登板してサヨナラ本塁打を浴びる。「調子いい悪いではなく。僕ら(中継ぎ)は投げてなんぼ」
●寺原(ソ) 先発するも三回途中で危険球退場。「中継ぎの人に迷惑をかけてしまったことが申し訳ない」