青森県内の日刊紙「陸奥新報」が今月10日付の1面コラムで、共同通信社が加盟新聞社に配信した作家重松清氏のエッセーを無断利用していたことがわかった。発行元の陸奥新報社(同県弘前市)は筆者を処分するとともに、23日付の紙面に謝罪記事を掲載する。
同社によると、問題となったのは1面コラム「冬夏言(とうかげん)」で、十数人の担当記者のうち、60代の男性嘱託社員が執筆した。共同通信が4月28日配信の重松氏のエッセーと、全体の構成や表現が似ていると指摘。社内調査に、嘱託社員は東北中心に発行される河北新報に掲載されたエッセーを参考にしたと認めたという。
陸奥新報社は22日付で社員を出勤停止7日間の懲戒処分とし、渡辺智取締役編集局長を譴責(けんせき)と役員報酬10%、1カ月の減給処分とした。