北京時間の2日、世界知的所有権機関(WIPO)などが「グローバルイノベーション指数報告書2020」を発表し、131のエコノミーのイノベーション能力ランキングを明らかにした。そのうち中国は14位で、2年連続でトップ15に入ったほか、複数の分野で他国を上回る優位性を示し、総合ランキングで30位以内に入った唯一の中所得のエコノミーになった。
最新のデータによると、2019年に中国が投入した研究開発(R&D)経費は2兆2100億元(1元は約15.5円)に達し、12年の2.15倍となり、世界2位のR&D経費投入国となった。R&D経費投入強度(R&D経費の国内総生産<GDP>に対する比率)は2.23%で、欧州連合(EU)の平均水準を上回った。R&D人員数は世界1位を維持し、世界最大規模の科学技術人材を擁している。
中国科学技術発展戦略研究院の陳■(金へんに玉)副研究員は、「イノベーション要素の投入が急速に増加したと同時に、イノベーションによる生産が量も質もそろって増大した。2009年から2019年までの間に、中国の論文引用数は3万755本に上り、世界全体の20.0%を占め、12年から19年にかけて、中国国内の発明特許出願件数は53万5千件から124万4千件に増え、発明特許取得件数も14万4千件から35万1千件に増え、いずれも世界の首位に立った……」と述べた。
注目されるのは、同「報告書」が大学の水準、科学関連の出版物、国際特許出願件数の3つの角度から「イノベーションの質」分析指数を打ち出したことだ。その結果によると、中国の世界ランキングは16位となり、イノベーションの質の得点では49の高所得のエコノミーの平均得点を上回り、中国は3指標ともに高所得のエコノミーに接近した唯一の中所得のエコノミーになった。
それだけではない。中国は段階的に連動する地域のイノベーション配置を次第に形成し、イノベーションの成長源、成長の極、成長エリアを育成し、地域イノベーションクラスターの活力が湧き上がっている。
同「報告書」によると、中国はすでにイノベーションのリーディングの地位を確立しており、特許、実用新案、意匠・商標、工業製品の外観デザインの申請件数、およびクリエイティブ製品の輸出など重要な指標でいずれも上位に名前を連ねる。中国はグローバルイノベーションクラスターベスト100に選ばれた地域が17ヶ所あり、中でも深セン-香港-広州イノベーションクラスターは世界2位、北京イノベーションクラスターは世界4位だ。17年と比較すると、ベスト100に選ばれた地域は10ヶ所増えており、ここから中国の地域イノベーションクラスターが力強い国際競争力を備えていることがわかる。
イノベーション型国家建設が目に見える成果を上げたことのもう1つの例証は、イノベーション環境が絶えず最適化され、企業のイノベーション能力が向上を続けたことだ。世界銀行のまとめた報告によれば、ビジネス環境の世界ランキングで中国は20年に前年より15位順位を上げて31位に躍進し、2年連続で世界のビジネス環境の改善幅が大きい10のエコノミーの1つに選ばれた。
これと関連する1組のデータがある。19年に中国の1日あたり平均企業新規登録数は2万社に上り、各種マーケットエンティティは1億2千ヶ所に上り、グローバルR&D経費投資の上位2500社に入った企業が507社あり、ドローン、EC、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、モバイル通信などの分野では、国際的影響力をもったイノベーション型企業が大きな成長を遂げている。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月4日