遊覧船の発着前後、賢島の通りはにぎわいをみせる=20日午後、三重県志摩市
伊勢志摩サミットが三重県志摩市で開かれて26日で1年。主会場・賢島など一部でいまも観光客増の追い風が続いているが、波及効果は限定的。志摩市も三重県も観光客誘致で次を見据えた手を打とうとしている。
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特集・伊勢志摩サミット
20日、近鉄賢島(かしこじま)駅。特急から続々と降り立つ乗客を、制服姿の男性らが送迎車で出迎えていた。向かうのはサミット会場の志摩観光ホテルをはじめとする近隣の高級ホテルや旅館だ。
近鉄グループホールディングス(大阪市)によると、昨年7月~今年4月、賢島駅の降車客は前年同期と比べて1割余り増えた。傘下の志摩観光ホテルの客室稼働率は約30ポイント増。賢島から出る英虞湾遊覧船の乗客はサミット後、約4割増という。
「サミットのホテルはどこですか」「当時はどんな雰囲気でしたか」。賢島の喫茶店主、岩城悟さん(37)はいまもこんな質問を客から受ける。「ブームは過ぎるかと思っていたが、店もまだ忙しい」と話す。
英虞湾を一望できる横山展望台も、市内ではサミットの「勝ち組」とされる地域だ。春の大型連休は関東圏のマイカーが目立った。
ビジターセンターの入館者は昨…