対局に臨む藤井聡太四段=25日午前10時、東京都渋谷区、池田良撮影
将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)の勢いが止まらない。デビューからの連勝記録を「18」に伸ばし、25日午前には、タイトル戦の挑戦者を決めるトーナメント進出を懸けた対局が始まった。勝てば、デビューして1年以内でのタイトル挑戦権獲得という快挙も視野に入るなか、藤井旋風が将棋界の内外に広がっている。
東京都渋谷区の将棋会館には約50人の報道陣が詰めかけた。対局前、藤井四段の到着を待つカメラが会館の前にずらりと並んだ。普段、将棋の話題を取り上げる機会の少ない民放各局のカメラが目立つ。
竜王戦の決勝トーナメント進出を懸けた一戦で、通算勝率が7割を超す近藤誠也五段(20)が相手だ。勝てば、史上最年少での進出となる。トーナメント入りしてさらに7勝すると、デビューから1年以内でのタイトル挑戦権獲得となり、史上初の快挙。さらにタイトルを奪取すれば、賞金4320万円を獲得する。午前10時、シャッター音が鳴り響く中、対局が始まった。
盛り上がりのきっかけは、藤井四段が7人の棋士と対戦するインターネットテレビ局「AbemaTV」の企画。非公式戦で、羽生善治三冠(46)らトップ棋士に勝ったことが報道され、注目度が高まった。
日本テレビ系の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」は、藤井四段を再三取り上げている。デビュー戦で対戦した加藤一二三(ひふみ)九段(77)や師匠の杉本昌隆七段(48)が出演して藤井四段の将棋の特徴や人柄を紹介。対局日には会場の関西将棋会館の前から中継し、勝敗以外に昼食に何を注文したかも伝えた。
制作する読売テレビの野村明大…