補助金の流れのイメージ
学校法人「森友学園」(大阪市)が運営する幼稚園で大阪府の補助金を詐取した疑いのある問題を受け、府教育庁は私立の幼稚園に交付する補助金の手続きを来年度から厳格化する方向で検討を始めた。長期にわたり不正を見逃したため、チェック態勢を改める。また、これまでの交付に不正がなかったかについても調べる方針だ。
特集:森友学園問題
「今までは出た書類の整合性を見る審査だった」。府教育庁の橋本正司私学監は、学園に補助金の返還を命じたことを明らかにした17日の記者会見で、府教育庁のこれまでのチェックの甘さを認めた。
国費を含む補助金は補助金適正化法が適用される。不正受給には罰則があり、会計検査院の検査対象となる。だが、都道府県だけの支出は、チェックを自治体自らが行うことになる。
森友学園について、府は、昨年度までの6年間で学園側に交付した補助金の2割にあたる約6千万円が不正だったと判断した。問題があったのは、運営を支える目的で教員数に応じて交付した補助金と障害のある園児数に応じて交付した補助金で、府の調査では申請書類に名前のある教員が実際にはいない事態など次々と問題が判明した。
ただ、学園をめぐる様々な疑惑は、今年2月以降に報道などで発覚。府が立ち入りや聞き取り調査に乗り出したのは3月になってからで、府教育庁幹部は「教育機関に不正はないという『性善説』に立っていた。こんな事態は想定していなかった」と語る。
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