参院本会議で答弁する安倍晋三首相=29日午後、飯塚晋一撮影
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部新設について、首相は29日の参院本会議で、「今治市の誘致は2007年に特区(指定)の提案があり、民主党政権下で『10年度中を目途に速やかに検討』と前向きに格上げされた」と述べ、民主党(現・民進党)政権の検討結果を引き継いだものだと述べた。民進の真山勇一、共産党の仁比聡平の両氏に答えた。
特集:加計学園問題
民進の野田佳彦幹事長は同日の記者会見で、「議論のすり替えだ。安倍内閣になってからのトップダウン型の国家戦略特区を活用し、長年の友人のために特別扱いしたのとは(話が)全然違う」と反論。地域からアイデアを出して国に提案する民主党政権時代の「構造改革特区」と、国の主導で規制緩和のメニューや地域、事業者を決める安倍内閣の「国家戦略特区」の違いを指摘した。
共産の小池晃書記局長は「総理は質問に答えていない。(安倍内閣は)『広域的に獣医学部がない』という(地域)条件によって、(競合する)京都産業大学をふるい落として、加計学園にしていった。問われているのはそこだ」と語り、首相の答弁を批判した。(南彰)