がん患者や医療関係者で構成し、がん対策を議論するがん対策推進協議会が2日、厚生労働省で開かれ、東京五輪・パラリンピックのある2020年までに受動喫煙をゼロにすることを新たな目標とする方針を決めた。近くまとめる国の第3期がん対策推進基本計画に盛り込むことを想定する。
受動喫煙対策の強化のため同省が今国会に提出を目指している健康増進法改正案との整合性があるため、目標値を計画に書き込むかどうかは同省が調整する。
厚労省が計画案に当初盛り込んでいた目標は、飲食店での受動喫煙を22年度までに15%にするなど、現在の2期計画と同じだった。
2日の協議会では、委員が「飲食店も含めてゼロにすべきだ」や「子どもの受動喫煙を避けるため、家庭もゼロにする必要がある」などと発言。出席した15人の委員全てが、20年までに家庭や職場、飲食店などでの受動喫煙をゼロにすることで意見が一致した。
厚労省研究班の推計では、受動喫煙によって命を失う人は年間約1万5千人。過去1カ月間にたばこを吸わない人の約4割が飲食店で、3割が職場で受動喫煙に遭っていた。
法改正をめぐっては厚労省は飲食店を原則禁煙とする案を検討。自民党は一定規模以下の店では喫煙を認める案を主張し、合意できていない。