男子ダブルス準々決勝を戦う大島(右)、森薗組
(2日、卓球世界選手権・男子ダブルス準々決勝)
大島・森薗組と吉村・丹羽組が準決勝へ 卓球世界選手権
男子ダブルスの第5ゲーム、大島、森薗組はマッチポイントを3度握った末に勝利した。大島は「呪縛から解き放たれた」。2人は拳を突き上げ、抱き合った。
呪縛とは、2年前の前回大会で味わった苦い経験のことだ。同じ準々決勝で優勝候補筆頭の許昕、張継科組(中)を相手に最終第7ゲームまで戦い、10―8とマッチポイントを握った。だが、そこから4失点。大島は当時、「戦術の幅が少なかった」と悔やんだ。
森薗は「(この2年は)苦しい日々だった」と振り返る。持ち味のバナナのような弧を描くバックハンドレシーブの「チキータ」だけではなく、フォアハンドでも点を取れる能力を磨いた。大島もフォアのパワーだけでなく、台上でのレシーブの質を高めた。2015年のワールドツアーのグランドファイナルで優勝するなど実績を重ね、今大会は第1シードに入った。
この日の準々決勝。調子は決して良くなかった。第2、第3ゲームとも劣勢の展開だった。それでも、大島は「ゲームを捨てるようなプレーをしてたら、負ける」とあきらめることなく攻め続け、勝利をたぐり寄せた。
ペア結成から3年目で、念願のメダルを手に入れた。森薗は「メダルを取る責任は果たせた」。日本勢は丹羽、吉村組もメダルが確定。「決勝で、日本勢対決ができたら良い。一つ一つ、勝っていきたい」。2人は力を込めた。(前田大輔)