雲南農業大学が15日に明らかにしたところによると、同校の盛軍教授の研究チームは先ごろ、カフェインの健康面での効能に関する2つの新ターゲットを発見し、コーヒーの抗酸化と腎臓がん抑制に関する分子メカニズムを解明し、カフェインの広範な応用に科学的根拠を提供した。中国新聞網が伝えた。
盛教授の研究チームは、分子間相互作用技術の研究を通じて、カフェインが細胞のミトコンドリア中にある重要な脱アセチル化酵素(SIRT3)と直接結合できることを発見。カフェインがミトコンドリア中のSIRT3と結合してその生物学的活性を高め、スーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)を活性化し、紫外線照射時にミトコンドリア中で発生する過酸化ラジカル効果をなくす分子メカニズムを解き明かした。研究結果により、カフェインが紫外線照射による皮膚の損傷を効果的に改善することが裏付けられ、カフェインの紫外線防止スキンケア用品開発への応用に科学的根拠を提供した。
また研究では、カフェインが細胞内のグルコース代謝と関連する酵素(グルコース-6-リン酸脱水素酵素、G6PDH)と結合し、その生物学的酵素活性を抑制し、酸化を調節して定常状態に戻し、それによって腎臓がんの進行を抑制できることも分かり、カフェインの腎臓がん抑制分子メカニズムを明らかにした。同研究結果は、腎臓がん予防・治療へのカフェイン応用に足掛かりを提供した。
関連研究成果は先ごろ、国際的学術誌「Frontiers in Developmental and Cell Biology」で発表された。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年10月16日