経営悪化やリストラが主な理由だった企業の子会社や事業の売却で、業績堅調な企業による売却が目立ってきた。2013年以降、主要企業で明らかになった案件は計1兆円規模。「カーブアウト(事業分離)」と呼ばれ、投資ファンドが関わる。企業は売却資金で新たな投資を行い、ファンドは買収企業からの収益確保を狙う。
「ファンドは経済にプラス」 カーライル共同創業者語る
最近関係者の間で話題を呼んだのが、昨秋に日産自動車が発表した子会社の部品メーカー、カルソニックカンセイの売却だ。米系ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が、日産の保有株を含む全株式を買収し、総額は約5千億円にのぼる。日産もカルソニックも業績は堅調。日産は売却資金で自動運転など新技術に投資するとみられ、KKRは資金とノウハウでカルソニックを世界で通用する企業に育てるという。
日立製作所グループでも売却が目立つ。15年、日立金属が子会社の日立機材を米系ファンド、カーライルグループに300億円で売却。日立は今年、子会社の日立工機や、日立国際電気の半導体事業をKKRなどに1500億~2千億円で売却した。
日米の景気は堅調で、投資マネ…