出光興産の創業家が5日、6月29日の株主総会で月岡隆社長らの選任案に反対する方針を明らかにした。大株主の創業家は経営陣が進める昭和シェル石油との合併を拒み、昨年の総会でも人事案に反対。月岡社長はぎりぎりの票数で再任されていた。創業家が強硬姿勢を続け、合併はさらに見通せなくなっている。
創業家の代理人を務める鶴間洋平弁護士が記者会見を開いて明らかにした。
創業家は一族や資産管理会社などを通じて出光株の33・92%を持つ。株主総会で経営陣は月岡社長ら取締役12人の選任案を出す。可決には過半数の賛成が必要だが、創業家は月岡社長や関大輔副社長ら5人について、反対票を投じるという。鶴間氏は「競争を減らすための合併は消費者本位という創業理念に反する。統合効果が出るかも疑問で、経営判断を誤った」などと説明する。
創業家は昨年の総会で昭和シェルとの合併反対を初めて表明し、月岡社長ら10人の再任案も反対した。月岡社長への賛成は過半数をわずかに上回る52・3%。ほかの9人も60%前後の賛成しか得られなかった。
今回の総会で、創業家の思惑通…