地磁気の逆転の痕跡がある地層を調べる菅沼悠介さん(手前)=千葉県市原市田淵の養老川岸
約77万年前に地磁気が逆転したことを示す堆積(たいせき)物が見られる千葉県市原市の地層について、日本の研究グループが7日、地質の年代の境界を代表する「国際標準模式地」として国際学会に申請する。認められれば、約77万~12万6千年前の時代が「チバニアン」と呼ばれるようになる。
「チバニアン」商標登録されていた 千葉・市川の男性名
松野博一文科相が6日の閣議後会見で明らかにした。イタリアの2カ所も申請予定で、2カ月後にも3候補から選ばれる見通し。
申請するのは、茨城大や国立極地研究所など22機関の研究者グループ。市原市田淵の養老川沿いの地層で、約77万年前の火山灰が含まれている。地球は過去にN極とS極が何度も入れ替わっており、最後の逆転が77万年前だったとされる。市原市の地層では、堆積物からこの逆転現象を精度よく見ることができる。
国際学会の国際地質科学連合は、時代の境目ごとに国際標準模式地を世界で1カ所ずつ定めている。これまでに認定された模式地の大半は欧州で、日本にはない。「チバニアン」は「千葉の時代」という意味で、ラテン語式につけた。