約77万年前に地球のN極とS極が最後に逆転した痕跡がわかる千葉県市原市田淵の地層が示す時代について、日本の研究チームが近く国際学会に申請する名称「チバニアン」が、第三者の出願ですでに商標登録されていたことがわかった。研究チームの関係者は「申請に影響はないが、出版物を出す際などに問題になる可能性がある」と懸念を示す。
チバニアンはラテン語で「千葉時代」を意味する。特許情報プラットフォームによると、昨年8月25日付で市川市内の男性名で商標出願され、今年3月3日付で登録。商品区分はキーホルダーや印刷物、おもちゃなどとなっている。
このほか、1月に千葉市若葉区の男性名で「チバニあん」も商標出願され、商品区分は菓子やパンなど。昨年4月には、市原市内の土産物店から「千葉時代」の文言を含む商標も出願され、審査中となっている。
国際地質科学連合は、時代の境界を代表する地層を国際標準模式地として世界に1カ所ずつ定め、模式地に決まると、その場所にちなむ時代の名がつく。市原市の地層が示す時代については、イタリアの2カ所も候補になっている。(石平道典)