24歳「酒の匠」が愛する店とは 飲みに誘ってみた——贯通日本资讯频道
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24歳「酒の匠」が愛する店とは 飲みに誘ってみた

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酒匠の小池さん(右)と店長の村本さん=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



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■酒のプロと一杯@日本酒はなたれ(東京都渋谷区)


吟醸酒などを中心に出荷量も年々増加、雑誌で特集が組まれるなど注目が集まる日本酒。数あるお店の中でも、日本酒のプロが選ぶ店はどんなところか。高度なテイスティング能力を示す「酒匠(さかしょう)」の資格を持つ小池潤さん(24)にお願いし、行きつけのお店に連れて行ってもらった。


酒匠は、酒造や酒販の関係者でつくる「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」が認定する資格。一般的に知られる「利き酒師」より、さらに高度な、香りや味の判別や表現力が求められる。合格率は3、4割といわれ、飲食店に勤める人や酒類卸売業のバイヤーなど、2004年の資格創設以来の合格者は339人(17年4月現在)。小池さんは大学生のとき、22歳で取得した。


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「日本酒 はなたれ」は、少し路地に入った隠れ家的な店。扉を開けると、カウンターだけの店内には、冷蔵庫にずらっと日本酒が並び、テンションは一気に上がる。


「その時飲みたいものがばっちり出てくる品ぞろえ」や、店主・村本昌彦さん(37)の「若造の話も真剣に聞いてくれる懐の深さ」にひかれたと小池さん。酒匠の試験前には週2、3回は通い、感覚を磨いた「修業の場」でもあった。


若き酒匠の一杯目は……。注目しているとメニューも見ずに「ひとまずお任せで」。聞くと、「メニューの情報は限られる。好きなお酒でも、使っている米や季節により印象は変わる。お店の人にゆだねるのが、いいお酒に出合うコツ」と小池さんは説く。酒匠といっても、テイスティング能力や味の伝え方では「先輩に教わることばかり」といい、村本さんと話す中で、「語彙(ごい)や表現を盗む」こともあるという。


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白身魚に合うようオリジナルでつくったという昇龍蓬萊=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



村本さんが最初に選んだのは、神奈川の日本酒「昇竜蓬萊(ほうらい)」(1合1050円)。白身魚に合うよう造ってもらった限定品で、味はしっかりだが、低アルコール。さわやかで夏らしいおいしさ。この日はマダイのお刺し身(550円)と一緒にいただいた。お酒と食事は同じタイプのものを合わせるのが基本で、フルーティーで華やかな酒ならさわやかなサラダやトマト、熟成感のあるお酒なら干しブドウやチーズなどが合うという。なるほど、昇竜蓬萊に、さっぱりとしたマダイは合う……気がする。


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マダイの刺し身=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



■かん酒の奥深さを学ぶ


小池さんが日本酒好きになったのは、友人が働く日本酒居酒屋に誘われたことがきっかけ。「最初はお酒というより、おいしい食事目当てだった」が、通ううちにお店を手伝うことに。働くと決まった日、お店の人が出してくれた「たかちよ」(新潟)の味に感動。「フルーティーで華やか。初心者向けのお酒を選んでくれていた」


同時期に日本酒専門のウェブメディア「SAKETIMES(サケタイムズ)」でも働き始めた。そもそもの勉強好きに周囲の勧めもあり、その年のうちに「利き酒師」を取得。「酒匠」には、最年少を狙えるのではという期待や「講習会の費用に学割が利く」ことも手伝い、3回落ちた末、22歳で合格した。ただ、「最年少」は逃してしまったという。


「はなたれ」での修業を再現してもらった。温度でそんなに香りは変わるのかと、いぶかしがる記者を前に、小池さんが村本さんと目を合わせ、にやり。


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かん酒で味わった丹澤山。温度を変えて香りの違いを楽しむ=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



この日の「教材」は、神奈川の丹澤山(1合1050円)で、まずは常温。かん向きのお酒だけあって、昇竜蓬萊に比べるとうまみが強い。次は50度。村本さんが温度計をこまめに見る。常温で感じたうまみは控えめになって、香りがたち、さらっとした。次は65度。50度で感じた香りは薄まり、さらに辛口に。体に染みる。おでんの豆腐(250円)とのどぐろ(800円)が出てきた。「おでんは、うまみのかたまりです」と村本さん。温かくうまみの強いかん酒にはぴったりだ。最後は、温度を下げ再び50度で。同じ温度でも、辛口感が強く、華やかな香りは影を潜めた。


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豆腐のおでん。からしや七味唐辛子などを好みで付けていただく=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



こんなに変わるとは、すごすぎる……。「ここまで温度の違いを楽しめるのは日本酒ぐらい」と小池さん。普段は冷やして飲む吟醸酒だが、かんにして予想外においしいこともあるといい、「頭でっかちにならず、試すのが一番」。


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のどぐろのおでん=東京都渋谷区恵比寿の「日本酒はなたれ」



日本酒好きを自称していたが、驚き、感動することばかりの2時間半。いま、記者は「かん酒ブーム」の真っ最中だ。


それにしても、飲む時はどれぐらい飲むのか。1升、2升?驚く準備をしていると、「飲み会はほとんど毎回幹事。限界まで飲むことってあまりないんです」。だからこその味わう飲み方なのか。妙に納得がいく。帰り道、酔って別れた記者のスマホに「○○駅で乗り換えですよ」とメッセージが届いた。さすがの名幹事、アフターサービスもすごい。若き酒匠は、気遣いの人でもあった。


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