ハウステンボスの全景=長崎県佐世保市(同社提供)
テーマパークのハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)の沢田秀雄社長は7日、東京都内での記者会見で、アジアに進出する方針を明らかにした。候補地の絞り込みを進めており、早ければ2~3年後の開業をめざす。日本と同様に欧風の街並みを再現したテーマパークにする方向だ。
沢田氏は「中国などアジアで1千万~3千万人の市場規模が見込める地域に進出したい。現地から来てほしいと要望もある。大きな市場でどのぐらい成果が出るのかやってみたい」と説明した。現在のHTBにはないジェットコースターなどを設置する構想もあるという。現地の提携先を探しており、投資額は提携先の分とあわせて1千億~2千億円になるとの見通しも示した。
HTBは、2010年に沢田氏が率いる旅行大手エイチ・アイ・エスの傘下に入り、多彩なイベントを打ち出して経営再建を果たした。ただ、テーマパークだけでは成長の余地が限られるため、関連事業では他都市への進出を加速している。ロボットが接客する併設ホテルは、2号店を3月に千葉・浦安に開き、3~5年で海外も含めて100店前後に増やす方針を掲げている。
この日の会見では、パーク内で夏季限定で開いていた巨大プールを、今夏に東京・お台場でも始めると発表した。16年から大阪で開設し、15万人を集めたという。人気の仮想現実(VR)が体験できる施設も、東京・渋谷に24日にオープンする。沢田氏は「将来的にはディズニーランドなどがライバルになる」と語った。(森田岳穂)