ニューズピックスとその親会社のユーザベースを創業し、現在はニューズピックスの海外進出を担当する梅田優祐取締役に、米ダウ・ジョーンズとの合弁の経緯と狙いを聞いた。
ニューズピックス、米国進出へ ダウ・ジョーンズと合弁
――ダウ・ジョーンズと組むことになった経緯は。
「CEO(最高経営責任者)のウィリアム・ルイスさんが昨年5月、『日本に面白いメディアがあるらしい』と当社を訪ねてくれた。ビジネスモデルを説明したところ非常に面白がってくれた。彼はジャーナリスト出身で、メディアの将来に強い危機感を持っていた。特にフェイクニュース(虚偽のニュース)がネットで拡散されることは非常に大きな問題だと感じていた。解決するには、自分たちも有料で責任あるプラットフォームを持つ必要があると思ったようだ」
「当社が始めた『ピッカー』(有識者による記事コメント)が面白い、と。ダウもイベントなどを通じて経済界のエグゼクティブや専門家のネットワークを持っていたので、ニューズピックスと同じような世界をつくれると思ったようだ。我々も海外展開したいと思っていたので、我々と彼らの問題意識が合致した。それで、昨年夏に『米国展開を協力してくれないか』と連絡した」
――合弁会社ではどんな事業を展開しますか。
「米国向けに、国内のニューズピックスの仕様を少し変えて提供していく。私たちがアプリの開発を受け持ち、ダウはコンテンツの供給、ピッカーとなってくれる人の開拓、他の米国メディアからの記事提供の交渉を担ってもらう。(見た目は日本のサイトと)ほぼ一緒だ。我々のブランドを使うことは譲れない一線だった」
――日本で人気の独自の特集記事は展開しますか。
「最初はやらずに、まずは利用者を増やしたい。利用者が使ったりコメントしたりする体験を広げて、そこからオリジナルコンテンツを投入していきたい」