衆院法務委で、性犯罪を厳罰化する刑法改正案が可決された=7日午後、岩下毅撮影
性犯罪の厳罰化などを盛り込んだ刑法改正案が7日、衆院法務委員会で一部修正の上、全会一致で可決した。18日に会期末が迫るなか、参院では与野党が激しく対立する「共謀罪」法案の審議が続いており、今国会で成立するかは不透明だ。
性犯罪を巡る大幅な法改正は明治時代の制定以来、110年ぶり。強姦(ごうかん)罪を「強制性交等罪」と改めた上で、法定刑の下限を懲役3年から懲役5年に引き上げるなど厳罰化する内容。また現行法では、強姦罪などは、罪に問う場合に被害者の告訴が必要な「親告罪」だったが、被害者の精神的な負担軽減のため告訴を不要にする。
法務委の閉会後、法改正を求める市民団体「性暴力と刑法を考える当事者の会」などのメンバー約20人が衆院議員会館で金田勝年法相と面会。昨年秋からインターネットで集めた、法改正に賛同する約3万人分のオンライン署名を手渡した。
同会代表の山本潤さん(43)はこの日、記者会見し「法改正が遅れれば遅れるほど、被害者が救われない状況が続く。必ず今国会で成立させて欲しい」と話した。(小松隆次郎)