「祈りと誓いの集い」で児童を代表して言葉を述べる6年生たち=8日午前、大阪府池田市、筋野健太撮影
大阪府池田市の大阪教育大付属池田小学校に男が乱入し、児童8人が殺害された事件は8日、発生から16年を迎えた。同校では、事件が起きた午前10時10分過ぎから、「祈りと誓いの集い」があり、亡くなった8人の名を刻んだ塔の鐘が鳴らされ、全校児童約600人や遺族、保護者、教職員らが黙禱(もくとう)した。
児童代表の6年生3人は「当たり前に感じている毎日を過ごすことが、どれほど幸せなことなのか、そのためにどれほど多くの人が努力してくださっているのかを、付属池田小学校で過ごす中で気付くことができました」と述べ、「私たちが行動することで、安全で安心な学校や社会づくりへの第一歩となることを忘れずに成長していきます」と誓った。
佐々木靖校長は「事件を決して風化させることなく、『祈りと誓いの塔』が建てられた深い思いを受け継いでいけるよう努力を続けます」とあいさつした。各学年の代表は自分で作った花かごを捧げた。
事件は2001年6月8日、通用門から校内に侵入した宅間守元死刑囚(04年に死刑執行)に刃物で襲われ、2年生の女児7人と1年生の男児1人が亡くなり、児童と教諭15人が重軽傷を負った。社会に衝撃を与え、学校の安全を見直す動きが全国に広がった。(永井啓吾)