イスラム国(IS)戦闘員に拉致され、3年ぶりにイラク北部アルビルの国内避難民キャンプで暮らす家族のもとに戻ったクリスティーナちゃん。母アイダ・ヌハさんに肩を抱かれて=11日午前、イラク北部アルビルのアシュティキャンプ、仙波理撮影
過激派組織「イスラム国」(IS)が2014年に占拠したイラク北部の町で拉致された少女が、3年ぶりに家族のもとに戻った。3歳で拉致された少女は6歳になっていた。少女はまだほとんど話をできない状態だが、家族は「奇跡だ」と喜びをかみしめている。
ISは14年6月、イラク北部に位置する第2の都市モスルを占拠。一家が住んでいた南東約30キロの町カラコシュも支配した。カラコシュはキリスト教徒が大部分を占める町で、母親のアイダ・ヌハさん(46)によると、ISは同年8月に「出ていかないなら殺す」と銃口を突きつけて住民を脅したという。
住民が町を出るバスに乗ると、ISメンバーは車内で乗客から金や身分証明書を奪った後、当時3歳のクリスティーナちゃんをアイダさんの腕から奪い取った。アイダさんは何度も娘を返すように頼んだが、「IS幹部の決定だ」と突き放された。バスが出発する時、クリスティーナちゃんは外国人戦闘員に抱かれて泣き叫んでいたという。
クルド人自治区に逃れた家族は…