早稲田大学マニフェスト研究所(顧問・北川正恭元三重県知事)は、地方議会の改革状況をランキングにした2016年度の「議会改革度調査」を公表した。1位は前年度と同じ北海道芽室町議会で、2位は大津市議会。都道府県議会では大阪府議会がトップで、全体では6位だった。
同研究所によると、芽室町議会は議長から委嘱された町民が議会を傍聴し、議会運営などについて提言する「議会モニター」を導入。住民参加の仕組みが高く評価された。2位の大津市議会は大学と協定を交わし、政策立案や人材育成に生かしているという。
前年度15位から6位に上昇した大阪府議会は、政務活動費の領収書のネット公開や、府議が高校に出向いて議会の仕組みを説明する「出前授業」が評価された。議会基本条例の検証・改正を毎年している堺市議会が7位、高校生と市議のグループディスカッションを開いた京都市議会が10位に入った。14年に発覚した政活費の不正支出を受けて改革に取り組んだ兵庫県議会は12位だった。
同研究所によると、今年3月に47都道府県と全1741市区町村議会にアンケートを送り、1347議会が回答。議会の透明度を表す「情報共有」と「住民参加」、議会の調査能力などの「機能強化」の3項目で評価した。今年度の1~3位は前年度と同じで、先進的な議会が定期的に改善に取り組んでいるため、ここ数年は上位陣が固定化する傾向にあるという。(矢吹孝文)
■2016年度の議会改革度調査トップ10
1位 北海道芽室町議会(1位)
2位 大津市議会(2位)
3位 三重県四日市市議会(3位)
4位 石川県加賀市議会(8位)
5位 福島県会津若松市議会(6位)
6位 大阪府議会(15位)
7位 堺市議会(7位)
8位 三重県鳥羽市議会(5位)
9位 新潟県上越市議会(4位)
10位 京都市議会(20位)
※カッコ内は前年度の順位