熊本県御船町の田上(たのうえ)忍町議(59)が熊本地震の直後、独自に義援金を募り、大半を被災者支援などに使わないままにしていた。町政治倫理審査会(政倫審)は今月、「直接に被災者の支援に用いられた事実は認められない」との調査結果をまとめ、議員の品位や名誉を損ない、町議政治倫理条例に抵触すると指摘した。
政倫審の調査によると、田上氏は昨年4月21日、個人のブログで「被災者の方へ使って欲しい場合」と「田上個人で何かに使って欲しい場合」の入金先として自分名義の2口座を示し、義援金を呼びかけた。
被災者用には7月半ばまでに81万円余が集まった。田上氏は政倫審に対し、このうち18万円を東京で開かれた復興支援バザーに出す野菜購入に充て、残金63万円余は今年5月に自身が主宰する任意団体名義の別の口座に移したと説明。個人用には10万円未満の入金があり、自宅の修理代に使ったと答えた。
町民の調査請求を受けた政倫審…