激しく雨が降る中、早足で歩く人の姿が目立った=津市新町1丁目
梅雨前線を伴う低気圧の影響で、21日昼過ぎにかけて、西日本から東日本の太平洋側を中心に、広い範囲で局地的に雷を伴った激しい雨になる。気象庁は土砂災害や浸水、河川の増水、暴風などに注意を呼びかけている。
同庁によると、四国付近にある低気圧は東北東に進み、21日夜には東北南部の太平洋側に達する見込み。低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、西日本と東日本の太平洋側を中心に大気の状態が不安定になっている。特に、西日本では1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、大雨となるところがある。
22日午前6時までの24時間に予想される雨量は、東海で200ミリ、近畿、関東甲信で180ミリ、四国で150ミリ。
20日夜に最大震度5強を観測した大分県佐伯市では、大雨の峠は越えたが、20日午後1時から同午後10時までの総降水量が、佐伯市蒲江で105ミリ、同市佐伯で83ミリとなるなど、降った雨で地盤が緩んでいる可能性があり、土砂災害や河川の増水に注意が必要だ。
■交通機関乱れ、避難勧告も
東海地方は21日午前、低気圧と前線の影響で強い風と雨にさらされた。交通に乱れが出るなど、各地で影響が出た。
愛知県常滑市の中部空港では、6月の観測史上最大の風速22・2メートルを記録。名古屋鉄道は常滑―中部国際空港駅間で一時、上下線の運転を見合わせた。
午前8時45分ごろには、同県刈谷市宝町6丁目で工事現場の足場が倒壊。けが人はなかったが、倒れた足場が駐車中の車2台や電線などに当たり、約900戸が一時停電した。刈谷署は強風の影響とみて原因を調べている。
同県豊橋市は梅田川が氾濫(はんらん)危険水位を超えたため、周辺地域の165世帯に避難勧告を出した。
三重県熊野市は市内全域の9083世帯に避難勧告を出した。県によると、午前8時現在、人的被害や住宅などへの被害は報告されていない。
津地方気象台によると、熊野市では午前7時半からの1時間当たり降水量が54・5ミリを記録し、6月の観測史上最大となった。また、降り始めからの降水量は午前9時現在、熊野市で195・5ミリ、尾鷲市で193ミリだった。
午前10時現在、JR紀勢線は多気―新宮の上下線、JR関西線も亀山―柘植の上下線で規制雨量を超えたため、運転を見合わせている。