市場問題への主な各党の姿勢
東京都議選(7月2日投開票)の告示直前に、小池百合子都知事が築地市場を豊洲市場に移転する「基本方針」を示したことで、市場問題を巡る各党の議論が熱を帯びている。築地の跡地再開発も盛り込んだ基本方針に対し、小池氏と対立する自民党を中心に「財源が不明確」などの批判が出ている。
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「具体的な(財源の)根拠がなく、膨大な無駄遣いになる」。下村博文・自民都連会長は24日、東京都大田区で演説し、小池氏の方針を批判した。自民は早期の豊洲移転を公約に掲げるが、小池氏の方針では豊洲市場整備に伴う借金の返済方法や築地再開発の財源などが不明だとして攻勢を強めている。並んだ自民候補も「(築地の)土壌汚染対策やその費用はどうするのか」と訴えた。
豊洲移転に慎重な立場をとる民進党の馬淵澄夫選挙対策委員長も同日、武蔵野市で「(豊洲と築地の)どっちも(使う)と言うが、財源は明らかにしない。チェックが必要だ」と指摘した。
豊洲移転反対を掲げる共産党の志位和夫委員長は23日、新宿区内で、豊洲市場の土壌汚染対策は不十分だとし「(豊洲移転は)食の安心・安全と両立しない」と指摘。小池氏が率いる「都民ファーストの会」と選挙協力する「東京・生活者ネットワーク」も移転反対の立場だ。西崎光子代表は24日、世田谷区での演説で「移転に反対し、築地での再整備を目指す考えは変えない。民間も活用して再整備は可能ではないか」と主張した。
都民ファーストと選挙協力している公明党の山口那津男代表は24日、江東区で「豊洲は安全対策を講じれば大丈夫」とした上で「都議選前にはっきり方向性を示すべきだと知事に提案したのは公明」と強調した。
同日、府中市で演説した小池氏は「事業費(豊洲市場整備費)が6千億円に膨らんだのは議会のチェックが足りなかったからだ」と訴え、移転計画を主導してきた自民を牽制(けんせい)したが、自ら示した基本方針には触れなかった。
都民ファーストは当初、公約で…