3号機(手前)、4号機ともに営業運転に入った関西電力高浜原発=福井県高浜町、大久保直樹撮影
関西電力の高浜原発3号機(福井県、出力87万キロワット)が4日夕、原子力規制委員会の最終的な検査を終え、営業運転に入った。高浜4号機と合わせて2基が営業運転に入ったことで、関電は6日、8月1日からの電気料金の値下げを国に届け出る。
これで営業運転中の原発は、九州電力川内(せんだい)1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、6月16日に営業運転入りした高浜4号機(福井県)と合わせ、3カ所5基になる。
高浜3号機は2016年2月にいったん営業運転に入ったが、同3月に大津地裁が運転差し止めの仮処分決定を出したため、停止した。今年3月、大阪高裁が決定を取り消したことを受け、6月6日に再稼働していた。
関電は、高浜の2基が営業運転に入れば、火力発電所を止めて減らせる分の燃料費を元手として、電気料金を下げる意向を示してきた。関係者によると、今回の下げ幅は3~4%前後になるとみられる。
関電は、電気の需要がピークを迎える夏に合わせ、電気料金を値下げする。昨年4月の家庭向け電力の販売自由化後も進んだ顧客離れを食い止め、反転攻勢を図るためだ。ただ、他の新電力も対抗策を打ち出すとみられ、今後、関西地区での価格競争は激しさを増しそうだ。
関電は10月には大飯3、4号機(福井県)の再稼働をめざしている。この2基が動けば、再び値下げする方針だ。(笠井哲也)