横浜港でヒアリがいないか調査する環境省の調査員ら(7日、横浜市、環境省提供)
強い毒を持つ外来種のヒアリが、国内各地で見つかっている。国や自治体は定着を防ごうと駆除に力を入れる。殺虫剤の注文が相次ぎ、子どもたちに「アリに触れないように」と呼びかける動きも出始めた。
特集:ヒアリ
「コンテナの中でアリが見つかった。ヒアリか確認してほしい」。3日午後、東京港・大井埠頭(ふとう)(東京都品川区八潮2丁目)のコンテナ業者から、環境省に連絡が入った。コンテナは中国本土から香港を経由して運び込まれ、業者が点検中に1匹を発見。さらに100匹以上が見つかった。5月下旬以降、兵庫県や愛知県、大阪府でも確認されている。
専門家などによると、ヒアリは南米原産で腹部に毒針がある。貨物にまぎれるなどして米国や豪州、中国などに生息域を広げてきた。数カ月ほどで巣が作られ、3年ほどで羽の生えた女王アリが飛び立って巣が拡散する。定着すれば駆除は難しい。2004年と06年に見つかったニュージーランドでは、港周辺の定期的な調査や一般人からの情報提供が早期発見につながり、根絶に成功したという。
環境省などは6月末から、中国…