今夜、最速の男が決まる。大阪で開催中の第101回日本陸上競技選手権大会。24日午後8時38分に注目の男子100メートル決勝があり、日本勢初の9秒台突入に期待が集まる。
予選と準決勝でサニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=が10秒06を連発し、8月のロンドン世界選手権の参加標準記録10秒12を突破。代表3枠を争う「第5の男」に名乗りをあげた。ケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ=も予選で10秒08と1年ぶりに自己ベストを更新し、波に乗る。
短距離界の新星と呼ばれる多田修平(21)=関西学院大3年=は、この日が誕生日。「注目されるのがうれしい」と、バースデー優勝を狙っている。4年前に10秒01を出してから日本陸上界の顔として君臨してきた桐生祥秀(21)=東洋大4年=は準決勝のスタートでつまずきそうになり、得意の中盤からの伸びも欠いた。右足首の故障で3カ月半ぶりの試合出場となっている山県亮太(25)=セイコー=は、準決勝で10秒31の2組4位と辛くも決勝進出。3レース目となる決勝は厳しい戦いになりそうだ。
スタートからの飛び出しが得意なのは山県と多田。中盤から加速するのが桐生とサニブラウン。終盤に差してくるのがケンブリッジだ。世界選手権の参加標準記録を突破しているこの5人が優勝すれば代表に内定。3位に入れば代表入りが有力となる。