中央が「バファローWINグ丼」。左隣のスープを丼にかければ、お茶漬けにして食べられる=堺市南区の帝塚山学院大
プロ野球オリックスが管理栄養士を目指す大学生に、「アスリート飯」を考えてもらった。テーマは今季のキャッチフレーズ「野球まみれ」にあやかった「まみれ」飯。選手寮「青濤館(せいとうかん)」の食卓に上ることを競って学生は知恵を絞った。
企画は、京セラドーム大阪(大阪市西区)を本拠にする球団が進める地域密着活動の一環。2013年から、帝塚山学院大人間科学部食物栄養学科(堺市南区)との連携が始まり、4回目の今回は3年生を中心にした43人が、5班に分かれて案を出した。
ターゲットが増量を目指す若手選手のため、1食分は1500~2000キロカロリー。実際に寮で出すことを考えて、予算は1500円以内、100分以内に完成することなどが条件だ。
12日のお披露目会では、力作が並んだ。
4班の「中華にまみれてエナジーチャージ~クワトロミートwith V」は4種類の肉を使用。不足しがちな鉄分を補うためのレバニラや、野菜を棒々鶏と一緒に生春巻きにすることで野菜嫌いの選手でも食べやすいようにした。白米の進む一食だ。
料理名でくすりと笑わせる作品も。企画が始まった5月はチームが低迷していた時期。3班は「きちんと勝つ」との願いをこめて「チキンとカツボール」を考え出した。鶏胸肉のミンチを白球に見立てて丸め、中にうずらの卵やチーズ、小松菜などを入れた。エネルギー源のごはんには、疲労回復効果のある梅を使って「梅まみれ」の梅しそじゃこご飯にした。
球団の栄養管理を担当する管理栄養士の河南こころさんは「筋肉をスムーズに動かすにはミネラルなど、いろいろな栄養素をとることが大切。みんな様々な食材を使っていて、さすが」と評価した。今後、寮の調理人と相談し、何品かが採用される予定だ。(藤田絢子)