福岡大会4回戦を1失点の完投で突破した福岡大大濠の三浦
(16日、高校野球福岡大会 福岡大大濠4―1福岡舞鶴)
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今春の選抜8強の福岡大大濠が福岡大会4回戦で福岡舞鶴に4―1で勝利。本調子でない、高校日本代表候補のエース三浦を救ったのは、中堅手・仲田の「落球」による併殺だった。
0―0の二回、三浦が一回に続き安打を許し、1死一、二塁のピンチを迎えた。ここで、福岡舞鶴の8番渡辺の浅い飛球が仲田の正面へ飛んだ。
落下点に入って悠々捕球――。と思った瞬間、グラブの土手に当たって、芝生にポトリ。だが、仲田は素早く拾って二塁上にいた遊撃手の久保田へ送球し、一塁走者を封殺。久保田が三塁へ転送し、落球を見てから三塁を目指した二塁走者をアウトにした。
普通の中飛ならまだ続くはずのピンチが、併殺でチェンジに。仲田は「落球はわざとではありません。土手に当たったので、すぐに二塁へ投げただけ」と言ったが、三浦は「たまたまのプレーかもしれませんが、ありがたかった」と振り返った。
仲田は「故意」の落球ではないことを強調したが、大濠では逆に、こういうケースで併殺を取られないための練習を普段からしているという。
八木監督は「こっちが守りでやるというより、こういうことを相手にやられるかもしれない、ということです」。だから、監督は仲田がわざと落球したと思ったようで、「練習が頭の中に残っていたのか。機転の利いたプレー。私もびっくり」と目を丸くした。
内野手が送りバントの小飛球をわざとワンバウンドさせて併殺を狙うプレーは珍しくないが、外野手が狙ってやろうとするのは難しい。より素早く、正確な送球が必要であることに加え、走者の動きを見極めないと逆にピンチを広げることもある。
ちなみに、内野手がわざとグラブや手にボールを当てて落球したと審判が判断した場合は「故意落球」が宣告され、打者のみがアウトになって走者は戻されるが、外野手に「故意落球」は適用されない。
結果的に、三浦は三回以降立ち直り、1失点で完投。終盤までもつれる投手戦となっただけに、序盤のピンチを「落球併殺」で切り抜けたのは大きかった。(山口史朗)