後半、トライを決め喜び合うサンウルブズの徳永(右から2人目)=遠藤啓生撮影
(15日、サンウルブズ48―21ブルース〈ニュージーランド〉 スーパーラグビー)
サンウルブズ、NZチームに逆転勝ち スーパーラグビー
防御から球を奪い返してトライで仕留める、理想的なカウンター攻撃でサンウルブズが底力を見せた。
後半13分、CTBラファエレが「積み重ねてきた防御が最後の試合で出せた」と語ったように、好タックルで相手がこぼしたボールを松橋が頭から飛び込み確保。松島がインゴールにキックで転がすと、山中が左手で抑えトライ。2点差に詰め寄ると、その後は「相手は暑さで想像以上にバテていた」(松橋)と、繰り出す攻撃が面白いようにはまるトライラッシュ。最多8トライと最多得点で2年目を締めくくった。
今季のサンウルブズは、日本代表のジョセフヘッドコーチが総監督の立場で選手に適度な休養を与える観点から出場試合数を管理。それでもけが人は避けられず、チームの編成が頻繁に変更された。昨季は計38人の出場選手数が、52人にまで増えた。高いレベルの試合を多くの選手が経験できるという育成面ではプラスだった。しかし、周囲との連係が必要な防御の成熟度を実戦で深められない課題も残った。
「メンバーがしょっちゅう代わるのは望ましくない」(渡瀬裕司・最高経営責任者)。来季は育成と強化を両立させる、最適な編成を探る必要がある。来季のリーグは格上の南アフリカ、豪州の3チームが減らされる。サンウルブズの2勝目は前進だが、停滞も許されない。(能田英二)
●パーソンズ主将(ブ) 「試合に向けた姿勢が大きな要素だと感じた。サンウルブズはそれを持っていた。暑さは言い訳にできない」
○ラファエレ(サ) 3トライの活躍。「大学生の時以来かな。ほかのバックスのメンバーがすごく頑張ってくれ、自分が最後に取ることができた」