夏休み文楽特別公演で配られる、文楽とビックリマンのコラボカード。ビックリマンと同じキラキラ素材だ
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産にも選ばれている人形浄瑠璃文楽が、夏の休暇やプレミアムフライデーをきっかけにファンを増やそうと、夏休み公演(22日~8月8日)であの手この手を繰り出す。
国立文楽劇場(大阪・日本橋)は菓子メーカーのロッテと連携。1980年代に社会現象にまでなったおまけシール「ビックリマン」と、文楽の登場人物「松王丸(まつおうまる)」「静御前」を組み合わせたカードをつくった。
ビックリマンの中で特に人気がある「スーパーゼウス」に、夏休み公演で上演する「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の主人公、団七の服を着せた「団七ゼウス」も。24日と8月1、4日の第1部「親子劇場」の来場者にいずれかを配る。
ビックリマンに夢中だった世代が40歳前後となり、劇場側が取りこみたい観客層と合致する。親子で見に来てもらう動機付けになればと考えた。子ども限定の体験ステージも初めて設け、人形や三味線に触れてもらう。担当者は「親子で盛り上がれば、会話も弾むでしょう」と期待する。
また、文楽の演者らでつくるNPO法人「人形浄瑠璃文楽座」は、プレミアムフライデーに当たる28日に観劇ツアー「そうだ、文楽に行こう!!」を企画した。午後6時半開演の「夏祭浪花鑑」を鑑賞し、人形遣いの桐竹勘十郎さんらとの懇親会もある。峯田悦子・文楽座事務局長は「実際に見て、疑問を演者に聞ける貴重な機会。文楽をより身近に感じてほしい」と話す。
問い合わせは劇場(06・6212・2531)と文楽座(06・6211・6131)へ。(向井大輔)