フランスの文学賞を受賞した和合亮一さん=福島市
放射能が降っています。静かな夜です――。福島市在住の高校教諭で詩人の和合亮一さん(48)が東京電力福島第一原発の事故後、ツイッター上に発信した作品「詩の礫(つぶて)」が仏語に訳され、現地の文学賞を受賞した。20日夕(現地時間)、フランスで授賞式に臨む。
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「詩の礫」を出版した徳間書店によると、受賞したのは、フランスの出版社が今年新設した「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」の外国語部門。仏訳された「詩の礫」が初回の受賞作に選ばれた。選考した現地の詩人や編集者らは「福島の原発災害という悲劇的な状況の中で湧き上がる詩的言語の奥深さと清さ」を評価したという。
和合さんは1999年に中原中也賞を受賞。国語の教師として現在、福島県立本宮高校に勤務する。
「詩の礫」は震災5日後から約2カ月間、ツイッターを通じて発した1千件以上のつぶやきを編纂(へんさん)したものだ。福島市内も当時、原発事故の影響で放射線量が上がり、余震が続いていた。和合さんは、絶望感を誰かに伝えたいと3月16日夜、「行き着くところは涙しかありません。私は作品を修羅のように書きたいと思います」とつづり、「放射能が降っています――」と続けた。
数人だったフォロワーは1万4…