時間制限なく面会できる耳原総合病院のICU=堺市堺区
症状の重い患者を集中的に治療、管理する病院の集中治療室(ICU)。かつては当たり前だった、面会の時間や入室者の年齢の制限を緩める動きが広がっている。時間を気にせず顔を合わせることができ、患者・家族ともに心が落ち着くと好評だ。
■看護師ら「患者の支えに」
JR立川駅近くの立川相互病院(東京都立川市、291床)。ICUには6ベッドがある。面会に訪れる家族らの時間制限はない。
6月の平日の日中。高齢の男性患者の見舞いに、妻が訪れた。入り口のインターホンを押して名前を告げると、看護師がモニターで顔を確認。扉が開いて妻は夫の元へ向かった。初めて面会に来た人は、看護師が案内する。
以前は朝昼晩のいずれかに1回15分以内と限定していた。だが2010年に時間の制限をなくした。親族や友人も患者本人の希望があれば面会できる。3年前から、6歳以下の子どもも入れるようになった。
安全面への配慮もしている。「入退出時は、手指の消毒を」などと面会の注意点を書いた用紙を、入院時に家族に渡して説明。インフルエンザなどの流行時にはマスクの着用も求める。
13年12月に看護師や理学療法士らに実施したアンケートでは、「患者の心の支えになる」「家族と医療者の関係を築ける」など肯定的な回答が多く、42人中40人が継続を希望していた。
ICU看護師長の林英里香(えりか)さんは、以前は仕事を休んで来ていた家族が仕事の合間や行き帰りに訪れるケースが増えたと指摘。「家族は、ゆっくり治療の様子を見たり、看護師らに質問したりできる。患者、家族ともに心が落ち着くようです」と話す。
2年前に制限をなくした堺市の…