茨城大会 延長15回の熱戦を制し、喜ぶ土浦日大の選手ら=水戸市民、平井隆介撮影
(27日、高校野球茨城大会 土浦日大10―9霞ケ浦)
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茨城大会決勝で、土浦日大は霞ケ浦に、五回までに2―7と5点差をつけられる劣勢に立たされた。1回戦でもあわやコールド負けのピンチだったことを引き合いに出し、ベンチで小菅勲監督(50)は「土浦日大は2度死んだ。もう死なないから、好きな野球を楽しもう」と声をかけた。
小菅監督は、1984年の夏の甲子園で取手二がPL学園を決勝で破って全国制覇を成し遂げた時の三塁手。「あの桑田、清原がいたPLに、田舎の学校が勝てた。野球は何が起きるかわからないというのを自分は体感していますから」。だからいくら点差を離されても、監督も選手も諦めなかった。
七回からの終盤の3イニングだけで11安打を集めて7得点。延長に入ってからは得点圏に毎回走者を進め、十五回、ついに霞ケ浦の右腕遠藤をとらえた。「最初に相手に行かれてから、粘り強く追いつく。今日もうちらしい試合が出来ました」
決勝進出を決めた日の夜、小菅監督は、全国制覇した時の取手二の監督だった木内幸男さん(86)に電話を入れた。恩師には、「野球がまだ小さいぞ。土浦日大は挑戦者なんだから、もっとのびのびやらせなきゃだめだ」と叱られたという。
大逆転で31年ぶりの甲子園切符をつかんだ選手たちを見つめ、小菅監督は「のびのびとやれば、この子たちは甲子園でもっと強くなれる」と話した。=水戸市民(平井隆介)