青森大会 青森山田―八戸学院光星 優勝が決まり、マウンドに駆け寄る青森山田の選手ら=はるか夢、板倉大地撮影
(27日、高校野球青森大会 青森山田5―3八戸学院光星)
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9年ぶりのライバル対決となった青森大会決勝。青森山田が八戸学院光星を5―3で下し、2009年以来の夏切符を手にした。
県外出身の選手をそろえた「野球留学」のイメージが強い青森山田だが、この日の先発は9人全員が青森出身だ。勝利の立役者も、つがる市の木造中出身で、四回から登板したエースの三上世視滝(せしる)(3年)。身長170センチの体を大きく使った投球フォームから、力強い球を制球よく投げて凡打の山を築いた。強打の八戸学院光星を八回までノーヒット。九回にソロ本塁打で2点差に迫られたが、「とにかく捕手のミットを目がけて投げるだけだった」と慌てず後続を断ち切った。
今、90人を超える部員の大半が県内出身の生徒だ。かつては関西や関東から多くの選手が入部していたが、2011年が転機になった。野球部寮で1年生の男子部員が上級生から暴行を受け、死亡した事件だ。
それまでの指導者が相次いで部を去り、チーム強化の方針も見直し。現在の三浦知克部長が県内の中学校や野球チームをこまめに回り、信頼回復に努めた。
「体調不良など何か問題が生じた時、やはり親元が近いほうがいい」と三浦部長。「育ててもらった地域や人に見守られながら生徒たちが部活をやって、部活も広く地域にひらく。そういう活動を続けたい」
夏の甲子園出場は8年ぶり。就任2年目の兜森崇朗監督は「八戸学院光星との決勝で燃えるものがあった。選手がよく成長し、いい試合をしてくれた」と目を細めた。=はるか夢(波戸健一)