花咲徳栄―浦和学院 五回表花咲徳栄1死満塁、佐野が小川に押し出しの四球。捕手秋山=県営大宮
(27日、高校野球埼玉大会 花咲徳栄5―2浦和学院)
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埼玉のライバル対決は、無死満塁での攻防と継投が明暗を分けた。
最初に無死満塁としたのは花咲徳栄で、五回だった。ここで浦和学院は先発の右腕・渡辺が1死を奪った後、左腕の桑野にスイッチした。しかし、押し出し四球で先取点を許す。
次打者に2ボールとしたところで左腕・佐野を投入。ところが佐野も制球が定まらず、ワンバウンドのボールが目立った。押し出し死球、四球で2失点し、遊ゴロの間にもう1点を失った。
2年生の佐野はエース格で、空振りが取れるタテのスライダーは県内各校が警戒していた。今大会は主に抑え役だった。だが、走者が埋まった状況ではその決め球は投げにくい。力みも見られ、直球でもストライクが取れない悪循環だった。花咲徳栄は、ベンチから「振るな」のサインが出ていた。
その直後、浦和学院は無死満塁のチャンスを作ったが、投ゴロ併殺などで無得点に終わった。
花咲徳栄は七回、先発投手の綱脇が打席に向かったが、1球後に代打を送った。続投か、清水への継投か。岩井監督は悩んでいた。「判断が遅れたのは、綱脇をもう1イニング引っ張るか悩んだから。主将の千丸とも相談して、ここが替え時だと決断した」
結果的に、このタイミングは正解だった。七回から登板した背番号1の清水は、緩い変化球を有効に使い、一人の走者も許さずに残り3イニングを封じた。
花咲徳栄は昨秋、今春と浦和学院に敗れていた。歓喜の輪が解けて、清水は言った。「これまで悔しい思いをしてきたので、結構、満足しました」(伊藤雅哉)