広島の九里亜蓮
(28日、広島7―1ヤクルト)
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まっさらなマウンドはもう手放さない。そう決意した広島の九里が2カ月ぶりの先発で熱投した。中継ぎからの復帰で首脳陣の想定を上回る107球を投じた。6回を被安打6、1失点で今季6勝目をつかんだ。「調子はめちゃくちゃ良いわけではなかったけど、粘り強く投げられた」
ジョンソンが離脱、中村祐が不調のなか、5回4失点でKOされた6月2日のロッテ戦以来となる先発がまわってきた。「中継ぎでも先発と変わらない気持ちでやってきたから、しっかりと試合に入っていけた」。一回、いきなり連打を浴びるも、動じない。山田の内角を強気で攻めて併殺打に。四回にはバレンティンにカットボールを右中間席に運ばれた。3点差に迫られたが、「点差は考えなかった。切り替えられた」。
プロ4年目。昨季で引退した日米通算203勝の黒田から授かった助言を胸に秘めて臨んでいる。「自分はゼロに抑えないといけないと思っていたけど、黒田さんに去年『お前は完璧を求めすぎる』と言われて、楽になりました」。精神面の余裕が、昨季までプロ通算4勝だった25歳を飛躍させている。
中継ぎではロングリリーフをこなす便利屋だった。それでも、不平不満をこぼさずに黙々と投げてきた。「先発へのこだわりはすごく持っている。先発で貢献できるように頑張りたい」。お立ち台では吹っ切れたように、先発への執着心を熱く語った。(吉田純哉)
○松山(広) 三回に走者一掃の二塁打。「なんとかバットに当たってくれ、と思った。いいところに飛んでくれた」
○緒方監督(広) 「九里は持ち味の緩急も良かった。先発の穴を埋めてくれた。また次も期待している」