ボクシング部監督の不祥事について記者会見する近大の増田副学長(右)と同部の清滝部長
近畿大ボクシング部の男性監督(29)による女子部員へのセクハラ問題で2日、近大は大阪市内で記者会見を開き、パワハラも認定した調査結果を示し、同日付で監督に諭旨解雇処分を下したと発表した。アマチュアを統括する日本ボクシング連盟はすでに最も重い除名処分を下している。
近大ボクシング部監督、女子部員にセクハラ 自宅待機に
近大によると、一連の事案は6月28日に女子部員2人の申し立てで発覚。大学側の調査で、この監督が昨年の夏前から複数の女子部員に対して性的な行為を求める言葉をかけ、背後から両肩に手をかけるような行為を繰り返していたことが分かった。大学はこれらをセクハラと認定し、パンチを寸止めする「マスボクシング」という練習で、複数の男子部員に対して度を超した強打を浴びせていた行為をパワハラと認めた。
今年4月にボクシング部の部長になった清滝ふみ・経済学部教授は、2人の女子選手が被害を訴えに研究室を訪れたときの様子を振り返った。「最初はとても緊張した感じでした。話を聞くと耳を疑うような内容で、『これは明らかなセクハラです』と説明すると、安心した様子でした」。その後ネット上で情報が流され、2人は大学から足が遠のいた時期もあったが、再び練習に参加するようになったという。
監督は関東の大学出身。2012年ロンドン五輪に出場し、昨年4月に就任した。発覚当初は「冗談のつもりでした」と話していたが、大学の調査が進み、「私の指導は明らかに間違っていました」などとする謝罪文を2度提出したという。後任監督は未定。
近大ボクシング部は全日本大学王座決定戦を10度制した強豪だが、09年に部員の強盗事件で廃部。12年10月にOBで俳優の赤井英和さんを総監督(現在は名誉監督)として復活し、関西学生リーグ1部で昨年、今年と続けて2位に入っていた。